グループレッスン
ピラティス
グループレッスンで、呼吸が共鳴するということ
堀江卓嗣
呼吸が共鳴することの不思議さを、僕はとても面白く感じています。
特にグループレッスンでは、一人ひとりの身体が違うからこそ、考えさせられることがあります。
呼吸が浅い方もいれば、深い方もいます。同じ動きをしていても、呼吸のリズムや身体の使い方は必ずしも同じではありません。
それなのに、一緒に身体を動かしていく中で、少しずつ呼吸のリズムが近づいていくことがあります。
なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。
呼吸は一人ひとり違うもの
グループレッスンでは、指導者が動きや呼吸のタイミングを伝えます。
でも、全員が同じように呼吸をすればいいとは考えていません。
呼吸の深さも、無理なく動ける範囲も人によって違います。最初から全員を一つのペースに合わせようとすると、その人自身の呼吸が見えにくくなることもあると思います。
だからこそ、まずは一人ひとりの身体を観察することが必要です。
そのうえで、グループ全体がどのように変化していくのかを見る。
僕は、そこに指導の難しさと面白さがあると感じています。
場をつくるのは指導者だけではない
一人で身体を動かしているときと、誰かと一緒に動いているときでは、違うことが起こる可能性があります。
同じ動きをすることで自然とタイミングが近づいたり、周囲の人の呼吸や動きに影響を受けたりすることもあるでしょう。
僕は、こうした参加者同士の関わりも、グループレッスンの大切な要素だと思っています。
指導者がすべてを変えているわけではありません。
けれど、参加者の力に任せているだけでもありません。
誰かが呼吸を止めていないか、動きについていこうとして必要以上に力んでいないか。そうした一人ひとりの反応を見ながら、全体の進め方を考えていく必要があります。
指導者には、個人を見る力だけでなく、場全体を観察する力も求められるのだと思います。
同じ呼吸になることが目的なのか
ここは、僕自身これからも探求していきたいところです。
呼吸が共鳴するということは、全員が同じ深さ、同じ速さで呼吸することなのでしょうか。
僕は、必ずしもそうではないと思っています。
一人ひとりが無理なく呼吸できることを大切にしながら、同じ場で動くことで自然とリズムが近づいていく。
そのような変化をどう生み出し、どう観察していくのか。
そこには、呼吸の知識や身体を見る技術だけではなく、指導者としての経験や判断も関わってくると思います。
一人ひとりの身体を見ながら、同時にグループ全体を見る。
呼吸の共鳴を探求することは、僕にとってグループレッスンの指導そのものを深めていくことでもあります。